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一審の裁判所では、支払義務者が提出した源泉徴収票や給与支払明細書をもとに、年収額を158万円(手取り給与月額約12万円)と認定し、同金額に基づいて、支払義務者に対して月額2万円の養育費を支払うように命じる審判が下されました。
これに対し、権利者側が、支払義務者が提出した資料は信用できず、同資料をもとに養育費を算出した原審判は不当であるとして即時抗告を申立てた事案です。
裁判所は、支払義務者と権利者が交際中の生活状況(車のローン支払月4万円、デート代月数万円、実家への生活費支払月5~8万円等)からすれば、手取り給与月12万円という金額には疑問があること、手取り給与額を時給計算すると時給600円程度となり最低賃金を約100円下回ること、支払義務者は同人の叔父の会社で働いているところ、叔父は支払義務者を幼少の頃から非常に可愛がっており、上記のような過酷な労働条件で支払義務者を雇用しているとは考えられないことなどを挙げ、源泉徴収票や給与支払明細書をもとに支払義務者の収入を認定することは困難であるとした上で、賃金センサスをもとに収入額を認定しました。
本件はあくまでも事例判断ですが、支払義務者から提出された源泉徴収票等の資料に疑義がある場合には、交際中や婚姻期間中の生活状況等を詳細に主張することによって、源泉徴収票等の資料以上の収入が認定される場合があることを示すものであり参考になると思われます。
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