私学に通う子どもの学費を考慮

私学は、国公立に比して、学費が高いのが一般的ですが、子どもが私学に通っている場合、婚姻費用の算定にあたって、その子どもの学費の負担をどのように考えるべきでしょうか。
裁判所は、婚姻費用の算定表は、公立中学校、公立高等学校の学校教育費を考慮しているに過ぎないことから、私学に通っている子どもがいる場合には、公立学校と私立学校の学費差額分について、権利者及び義務者双方の基礎収入額に応じて按分した額をそれぞれが負担するのが相当であるとの判断を示しました（名古屋高裁平成２２年３月２３日決定）。
このように、私学に通っている子どもがいる場合には、権利者は、算定表に定められた婚姻費用以上の支払いを求めることができる可能性がありますので、注意が必要になります。