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算定表は、権利者及び義務者がいずれも日本で暮らしている事を前提として、生活費指数を定めていますが、義務者が物価の安い外国に暮らしている場合、日本で暮らした場合よりも生活費の支出が下がることになりますので、単純に、算定表を当てはめてしまうと、義務者が不当に得をしてしまうことになります。
そこで、このような場合には、婚姻費用の算定にあたり、物価の問題をどのように反映させるべきかが問題となります。
実際の事例として、夫がタイで暮らしていたケースがありますが、裁判所は、このケースにおいて、「タイ国の物価が日本に比べて格段に安いことは公知の事実であり、タイ国では、日本の半額程度の費用で生活することが可能であると推認される」として、日本で暮らす妻の生活費指数を100として、タイで暮らす夫の生活費指数については、50とした上で、婚姻費用を算定すべきとの判断を示しました(大阪高等裁判所平成18年7月31日決定)。
この裁判例は、義務者がタイで暮らしていたケースについて判断したものになりますが、義務者が物価に差がある外国で暮らしている場合の婚姻費用の定め方についての参考になろうかと思います。
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